Storchen Zurichはスイス在住の知人から「必ず行ってみて!」と強くおすすめされ訪れることを決めた、チューリッヒ湖につながるリマト川という川沿いにあるホテルです。歴史がとても長く、650年前からあります。

その知人は、幼い頃より家族で世界中を旅していた経験があり、今はアートディレクターとして活躍しています。そんな世界中のホテルを見て回った経験を持つ彼女が言うには、このホテルは、いわゆる旅慣れた「“上級者向け”のブティックホテル」だそうです。

訪れてみるとデザインのテイストやアメニティの一つひとつにもこだわりを感じ、上質なのはもちろん、その中に大人のユーモアも含んでおり、「唯一無二」の空間がそこにはありました。

ホテルは川沿いに建っており、客室はその水の透き通った綺麗な川に面して配置されています。何よりも客室の窓からの眺めが最高で、客室に着いたらまずは窓を全開に開けてみることをおすすめします。

私が訪れたのは7月で、この時期のチューリッヒは日が長く、夜遅くまで外が明るいため存分に窓からの景色を楽しむことができました。食事後に部屋に戻ってのんびり書き物をしていた際には、外からトランペットの生演奏が聞こえてきて、その音色にも酔いしれました。

そして、朝になるとベッドを起こして、窓の外を眺めながら朝食を食べることができ、それは贅沢で至福の時間でした。(このホテルのベッドは全自動のリクライニング付き。)

部屋の真下の2階には、テラス席のあるイタリアンレストラン「La Rôtisserie」があります。

そこで食事をする人達の談笑と、川を走る船の音、向こう岸を走る電車の音が混ざり合って聞こえてくるのですが、客室にいながら聞こえるその絶妙な音のハーモニーが、さらに唯一無二の空間をつくりだしています。

ここを訪れる際には、ぜひリマト川を眺めるテラス席(4月-10月の夏季限定)は事前に予約しておく事をおすすめします。

スタッフは、肩肘を張らないフレンドリーで心地よい接客をしてくれ、客層の中心は長く人生を謳歌してきた感性豊かな大先輩たち。そこに集う人々と過ごす時間は格別なものになるでしょう。

1階のカフェバー「Barchetta Bar」でも、川沿いの雰囲気を味わいながら軽食を堪能できます。仕事後や、ディナーの前後など、いつでも訪れる価値があります。

ちなみにこのホテルのシンボルマークは白鳥。ホテルの川沿いのスペースではどこでも白鳥を見ることができます。

とにかくムードがあり上質なブティックホテル。チューリッヒに訪れる際にはぜひおすすめしたいホテルのひとつです。

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