ACE HOTELがロサンゼルスのダウンタウンに進出したことは、大きな話題となりましたが、オープンしてすぐに訪問しました。

私が最も気になっていたのは、LAのダウンタウンでホテルを運営することが果たして可能なのかどうかというところでした。

立地的にクリエイティブな人たちが集うようなエリアではないと認識していたので、ACE HOTEL独自のコンセプトがこの場所に馴染んで、成り立つのか、疑問視していました。

ここは、1927年に建てられた「United Artists(ユナイト映画)」のビルをリノベーションしています。もともと、チャップリンをはじめ、映画業界の著名人たちが創立した映画スタジオで、1991年にはLAの歴史的文化財にも登録されているそうです。

由緒ある建物だけあって、エントランスをはじめ、外観には圧巻されます。

一目見て、ACE HOTELがターゲットとしている層は間違いなくここに集うだろうと確信しました。インテリアを担当したのは世界中から注目を集めるデザイン・スタジオ「Commune Design」。外観のかっこよさに絶妙にマッチさせたユーモアあふれる空間デザインに、遊び心が感じられます。

また、近隣にはGrand Central Marketもあり、NoMad Hotel、Freehand Hotelが立て続けにオープンしたため、ダウンタウン・エリアは一気に栄え始めた印象があります。

一昔前は治安の悪さに、怖くて一人では出歩けないような場所でしたが、数年経って観光地化された理由のひとつとして、ACE HOTELのオープンがあったと言っても過言ではありません。

余談ではありますが、ロサンゼルスにACE HOTELがオープンした頃、日本進出を考えているという話を聞きました。その後、ポートランドを旅した時に、ACE HOTELのクリエイティブ・チーム「Atelier Ace」のメンバーとも会って、日本での物件探しに協力する旨を伝えました。そうして、できあがったのが、日本初進出の、ACE HOTEL KYOTOです。京都のACE HOTELもインテリア・デザインは「Commune Design」が担当しています。

ユニークなデザインを生み出し続けている「Commune Design」のクリエイティブ・アイデンティティを日本でも取り入れたく、ロサンゼルスを訪れた際に、彼らの事務所にまで赴き相談しに行ったのも今では良い思い出です。

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