以前、東京ファッションウィークに来ていたあるデザイナーの方に「東京のTRUNK(HOTEL)とニューヨークのPublic Hotelは同じヒップなにおいがするね」と言っていただきました。とても嬉しいことです。
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「(Public Hotelを手掛けた)イアン・シュレーガーのことは好きですか?」と聞かれた場合、私は「好きではないがリスペクトしている」と答えます。
ニューヨークのディスコ「スタジオ54」の共同創設者であり、ブティックホテルの先駆者でもある彼の功績は、私たちの業界にとって計り知れないものです。
Public Hotelにも、宿泊してみて気がつく「上手」なポイントが幾つかありました。
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まずはじめに、建築が上手。
専門的な話なので少しわかりづらいかもしれませんが、建築の工程に工夫が施されており、建築費と内装費を20%近く削減できる手法が用いられています。 (A工事とC工事を一緒にやっているからこその技)
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2つ目に、フロアプランが上手。
落ち着いた雰囲気のコミュニティスペースや使い勝手の良いバンケットルームの全てがスイートルームに直結されており、運営の事までしっかりと考え抜かれた、大胆かつ抜け目ない配列になっています。
3つ目に、客室が上手。
スタンダードルームが19㎡とやや小さい印象もあるけれど、細部までデザインが施されているので、機能はミニマムでありつつもハイセンスな仕上りです。 ただ、他のホテルがこれを単に真似するだけでは痛い目に合います。 (ヒントは、建築。窓デザインなどもぜひチェックしてみてください)
最後に、食が上手。
ニューヨーク・タイムズで最高の四つ星の評価を受けた世界的なシェフ、ジャン=ジョルジュ・ヴォンゲリスティンがディレクターを務めるレストラン「Public Kitchen」や、程よい抜け感が心地よいデリカテッセンなど、何処もしっかりとツボを押さえていて素晴らしいの一言でした。
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唯一、バーの配置がテラス含めて少し微妙なところは残念でしたが、それ以外は文句なく最高得点のホテルです。
滞在した日は、ファッションウィーク真っ只中ということもあって、毎日がお祭り状態でした。地下のクラブで開催されていたプライベートパーティは、これぞアメ〜リカな光景でした。(笑)
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