「ホスピタリティ業界にイノベーションを。」というミッションを掲げ、ブティックホテルを起点に新たなラグジュアリーを提案するTRUNK(HOTEL)。
今回は、TRUNKの運営推進部において、ホスピタリティ向上という重要ミッションを担う、杉本博則を紹介。ホスピタリティ業界においての豊富な経験を生かして、TRUNK全体のホスピタリティ向上と人材育成の担い手として、自身の考えるホスピタリティ論を語ります。
TRUNKが提供するホスピタリティとは。
“ホスピタリティ”というと、よく皆さんが想像することは、接客や接遇の場面で「人と人」との関りにおいて発揮される、2者間でのホスピタリティだと思います。しかし本来、ホスピタリティとは、「人と人」に限らず、「人とモノ」や「人と自然」、「人と会社」、「人と社会」など、関係性は様々であると考えています。ホテルをご利用になるお客様との間のみに発揮されるものではなく、地域社会との繋がりやTRUNKで働くメンバーに対して、やりがいのある職場環境を提供することもホスピタリティであると捉えています。
TRUNK(HOTEL)においても、接客を介してだけでなく、ホテルでの滞在すべてを通してホスピタリティを感じていただけると思います。TRUNK(HOTEL)の提唱する「ソーシャライジング」※とは、“自分らしく、無理せず等身大で、社会的な目的を持って生活すること。”を意味しています。まさに、TRUNK(HOTEL)の掲げるソーシャライジングを体現することこそが、ホスピタリティであると思います。ホテルを通じて、関係する全ての人・モノ・コト・会社・社会に対してホスピタリティを発揮し、お客様の満足の先にある「ドキドキ・ワクワク」といった感情を引き出すことが、TRUNKの企業理念でもある「ホスピタリティ業界にイノベーションを。」というミッションを実現する鍵となるのではないでしょうか。
※TRUNK(HOTEL)は、「ENVIRONMENT(環境)」「LOCAL FIRST(ローカル優先主義)」「DIVERSITY(多様性)」「HEALTH(健康)」「CULTURE(文化)」という5つのカテゴリーに注力しながら、「一人一人が日々のライフスタイルの中で、自分らしく、無理せず等身大で、社会的な目的を持って生活すること」という「ソーシャライジング」をコンセプトに掲げる。
ミッションはTRUNK全体のホスピタリティ向上。
私は入社して以来、運営推進部のメンバーとして、TRUNK全体のホスピタリティ向上を自身の最大のミッションとして、日々働いています。冒頭でお話させていただいたTRUNKの考えるホスピタリティの概念の中でも、私が担っているホスピタリティ領域は主に、「人と人」との2者間で発揮されるホスピタリティです。
「ホスピタリティ勉強会」と称した社員やアルバイト向けの講習会の開催や、各店舗の業務フローに沿った「技術向上勉強会」など様々な取り組みを行っています。また、講師として勉強会を主催するだけではなく、実際に自らが各店舗の現場に立ち、お客様を前にメンバーと共に働くことで、日々のホスピタリティの底上げを図っています。
お笑い芸人かホテルマンか。
京都の呉服屋に生まれ、幼いころから両親がお客様を相手に働く姿を見ていた影響からか、人と話すことがとにかく好きだと感じていました。自分の将来進むべき道を考えたときに、思い浮かんだ仕事が「お笑い芸人」と「ホテルマン」の2つの選択肢でした。(笑)
今考えると全く異なる道のようですが、当時の私にとっては、どちらも自分の好きな“人と話すこと”を叶えられる仕事だと考えていました。そして、たまたま先に内定をいただいたのがホテルだったこともあり、ホテルマンとして働く道を選びました。新卒からの数年間は、そこで宴会サービスやレストランサービスに従事し、接客の基礎を学びました。そうした中、料理人として働いていた当時高校2年生の弟が「高校生料理甲子園」で日本一に輝き、料理修行の為、海外へ飛び立っていきました。自分はこのままでよいものかと、兄としての悔しさもあり、新たな挑戦の場を求めて、ホテルを退職しました。
語学そして、一流のホスピタリティを学びにフランスへ。
日本一のサービス技術を磨きたいという思いから、当時から正統派フランス料理のレストランとして名高い東京のAPICIUS(アピシウス)の総支配人であった松本全市さんに、直筆の手紙を書き、働かせてほしいと直談判をしました。その際は、タイミングが合わず、働くことは叶いませんでしたが、私の相談に親身にアドバイスをくださり、勧められたのが語学を身につけることでした。サービスの現場で、一度働き始めてしまうと、当然ながら朝から夜まで現場中心の生活となり、なかなか他の勉強と両立させる時間を捻出することは難しいです。フレンチの本場で経験する機会をつくる上でも、世界のお客様をもてなす上でも、語学は必須であるという考えから、フランスそしてイギリスへ留学をし、仏語と英語を学びました。そして語学留学後、改めて松本さんの率いるAPICIUSにて、コミ・ド・ラン※として働きました。
※コミ・ド・ラン=キッチンとホールの間の料理の上げ下げなどを行うサービス見習い。
APICIUSで4年間の経験を積んだ後、新たなキャリアステップを求めて、フランスのヴェルサイユにあるフランス料理サービスプロ養成校TECOMAHに入学しました。卒業後は、そのままフランスに残り3つ星レストランで、メートル・ドテル※まで上り詰め、本場でのホスピタリティ経験を積みました。
※メートル・ドテル=日本語で総責任者や給仕長を指す。
フランスから帰国後も、都内有名フランス料理店、紹介制和食料理屋、ラグジュアリーホテルのバンケットでのサービスに携わるなど、多種多様な現場において、様々なお客様をお迎えすることで、自身のサービススキルやホスピタリティに磨きをかけました。
インプットするフェーズから、アウトプットするステージへ。
フランスやイギリス、そして日本において国賓や各国のVIPをおもてなしした経験を経て、次は自分に何ができるだろうかと、新たな成長ステージを考え始めたときに、自身が20年以上かけてインプットしてきた豊富な知識やホスピタリティの考え方を後世に残していきたいと考えるようになりました。
そのようなタイミングで出会ったのが、TRUNKアトリエの木下さんでした。アトリエがTRUNK(HOUSE)の開発にあたり、お客様として、当時私が働いていた八雲茶寮へ視察に来たことが始まりでした。そこから何度か別のお仕事でもご一緒させていただき、関りが深くなる中で木下さんより、TRUNKのお話をお伺いしました。人材開発部の市川さんをご紹介いただき、TRUNKが掲げる人材開発の戦略 ※ についてや、「ホスピタリティ業界にイノベーションを。」というTRUNKの掲げる大きなミッションについての考えをお伺いしました。その考えに深く共感し、また自身のこれからの成長ステージと合致すると考え、最終的にTRUNKへの入社を決断しました。
※TRUNKが掲げる人材開発の戦略 (#33 TRUNKの未来を創る、組織戦略のいま。)
TRUNKが考えるホスピタリティと向上を目指した取り組み【後編】へ
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