「TRUNKらしさ」をかたちづくるのは、多彩な個性を持ったメンバーの存在です。TRUNKで自分らしく働くことができるのはなぜなのか。一人ひとりの「いま」にスポットを当て、その想いを掘り下げます。今回話を聞いたのはTRUNK(KITCHEN)で調理全般に携わりながら、TRUNK(STORE)での商品開発でも存在感を発揮する高橋貴洋。次から次へと浮かんでくるWANTを形にし、TRUNKらしい働き方を体現し続ける料理人、そのエネルギーの源に迫ります。
技術と知識を武器に、
枠に囚われることなく表現したい。
料理の仕事を始めたのは19歳の時からです。調理師専門学校を卒業し、地元の洋食屋やパティスリーで料理の基礎を学んだ後、25歳の時に恵比寿のイタリアンレストランに移りました。このお店のテーマは「少量多皿」。たくさんの種類の料理を手掛けられ、自分が興味ある料理をすべて作らせてもらえたので、料理の技術を高めることができました。店舗の立ち上げから関わることができたのも大きかったですね。メニュー開発もやりたい人が手を挙げるスタイルで、その点はTRUNKと似ていました。
TRUNK(KITCHEN)との出会いは、技術と知識がまとまり始め、キャリアアップのために転職を考えていた頃でした。「自分は料理人としてどのくらいのレベルなのか?」を知りたいと思ったんですね。アイデアや技術を思い切り発揮でき、常識に縛られることなく突き進む力のある会社を探していた時、知人からTRUNK(KITCHEN)を紹介していただきました。次のステージとしてTRUNKを選んだのは、さらに自分の料理を表現したいと考えるようになったからです。
働く場所を考えると、ホテルのレストランだけでも世の中には無数の選択肢がありますが、イタリアンにもフレンチにも厳格なルールがあり、その自由度には限界があります。私には「枠に囚われることなく料理を表現したい」という想いがあるため、TRUNKは最適の場所だと感じました。TRUNK(KITCHEN)には凝り固まったスタイルがなく、世の中の流れを見ながら柔軟にその姿を変え続けています。この環境で成長し、確かな知識と技術を持って料理を提案できるようになりたい。それがTRUNK(KITCHEN)を新しい挑戦の場に選んだ理由です。
料理人として成長する。
だから、挑戦をやめない。
TRUNK(KITCHEN)では、メニュー開発に始まり、シェフのサポートや、若手スタッフの育成まで幅広く担当しています。レストランでの仕事だけでなく、TRUNK(STORE)やTRUNK(LOUNGE)といったコンテンツとの横のつながりから仕事が生まれるのは、ここで働く大きな魅力です。夏祭りやウインターマーケットなど、ホテルのイベントごとにコラボレーションメニューを開発し、TRUNK(STORE)で販売する機会があるのは、普通のレストランとの大きな違いですよね。作った商品の衛生管理を徹底し、ラッピングして販売するということも、通常の調理業務では経験しないことですから、全てが勉強になっています。TRUNKのブランドサスティナビリティであるソーシャライジングには「ローカルファースト」という要素がありますが、このあたりもTRUNKで働きたいと思った理由のひとつですね。
私の仕事としては、TRUNK(KITCHEN)でのレストラン業務、TRUNK(STORE)での商品開発業務、この2つを並行して手掛けているというイメージです。もしこれが普通の会社であれば、レストラン業務がメインで、商品開発業務がサブという位置付けになるかと思いますが、TRUNKではやりたいことをやりたいだけできるので、どちらも同じ熱量で取り組むことができます。そこに大きな違いがありますね。TRUNKは一人ひとりのWANTを大切にする会社です。達成したい目標を意識している人にとって、意志と行動を結びつけやすい環境がありますし、行動すればするほど、次のWANTも見えてきます。私もこれまでにMBP(Most Branding Person:その年、TRUNKの理念を最も強く体現したスタッフに贈られる社内表彰)を受賞したこともありますが、それは「たくさんのWANTを持っている」「WANTの実行力が高い」という点を評価していただいたからだと考えています。
料理の世界では「料理人は料理だけを作っていればいい」という固定観念が未だに強く残っているように感じます。TRUNKは全く逆で、「やりたいことをどんどんやっていい」というマネジメントが徹底されています。興味があることに取り組み、自分にできることを増やしていく。業界を問わず、トップダウン型のマネジメントを採用している組織の多くは、限られたスキルを磨き上げることには長けているものの、それ以外の可能性を伸ばすことが得意ではないと感じます。結果として似通ったスキルが求められる狭い世界でキャリアを考えるしかなくなってしまうのではないでしょうか。飲食業界やホテル業界はその典型かと思います。
TRUNKは主体性や自分の意志を重視した組織構造なので、業務的な役割もありますが、そこに自分の意思や判断が加わるため、スキルだけではなく「やりがい」や「自信」が培われていくのだと思います。WANTもそのひとつですね。そうした環境であるからこそ、「会社が目指すこと」と「一人ひとりがやりたいこと」が重なる部分が大きくなり、結果的にTRUNKというブランドに対するロイヤリティも高まって、楽しみながら、長く働くことができているのではないでしょうか。
壁を突破するには
「良く悩む」ことが大切。
TRUNK(STORE)で販売する商品の開発に携わるなかでは、すべてが順風満帆に進むわけではありません。自信を持って提案したアイデアが結果的に通らなかったり、最後までもっと良いものにできないかと要望が高くなったりということもあります。前例のないことに挑戦するので、これはごく自然なことです。その時に私が大切にしているのが「良く悩む」ということ。何でも闇雲に悩むのではなく、悩むべきことにフォーカスして正しいやり方で正しく悩む。端的に言えば「自問自答する」ということです。
20年近くも料理をやってきていますから、誤解を恐れずに言えば、ただ作るのであればどんなものでもできてしまうんですよね。でも、コンセプトに見合ったもの、お客様が期待する以上のものを作ろうとすれば悩みは尽きません。アイデアは正しいだろうか。オペレーションは最良だろうか。若手スタッフの技術向上につながるだろうか。TRUNKブランドにふさわしいだろうか。そうした悩みについて、脳の回路が焼き切れるんじゃないかというレベルまで突き詰めて考える。そんな感覚です。そこで大切にしているのがCREDOにもある「遊び心を持つ」ということですね。敢えて目立たない部分にスポットを当て、自分なりにブラッシュアップしていくという意識で課題に取り組んでいます。
当然ですが、そこまで考え抜いても簡単には認められないこともあります。すべての提案が一回で通るなんてことはありませんから。その時は、純粋に自分の考えが足りていなかったと捉え、さらに上を目指すにはどうすべきかと前向きに受け止めます。いつも心がけているのは、自分だけの力で正解を出すのではなく、過程において周りの人たちに積極的に意見を求めるということ。TRUNKには自分よりも知識や経験がある人たちも多く、聞けば応えてくれる環境もあります。目上の方に提案したり、意見を求める時には緊張することもありますが、すべてはより良いものをつくるため。商品を開発をする時、私は「自分がTRUNK(KITCHEN)を代表している」という意識で望んでいるので、気後れしている暇はないんです。自分の経験から湧き出る「最後の底力」にも期待していますね。
本気のWANTは「夢」と同じ。
この場所で目一杯羽ばたいてほしい。
これまでのキャリアを振り返りつつ、これから先に自分がやりたいことは何かと考えると、いま思うのは「若い人たちの成長を助けたい」ということです。TRUNK(KITCHEN)も含め、さまざまな飲食店で仕事をしてきたなかで、私は良い先輩たちとの出会いに恵まれてきたと感じています。それぞれの場所での経験によって、常に新しい考えが自分のなかに生まれてきたという実感があり、もし10年前にこの考え方を持つことができていたらもっと成長できていただろうと思うところもあります。その経験を伝えることができれば、料理の世界で成功を目指す若い人たちの背中を押せますよね。
下積みが長く、一人前になるまでに厳しい修行が必要というイメージもあってか、調理の世界に入ってくる若い人たちが減っているように感じます。本格的に料理に取り組み始めたのが27歳の時と、私も決して早くはなかったのですが、TRUNK(KITCHEN)のように挑戦の機会が得られる場所に身を置けば、日々、自分の成長を感じられると思います。いつから始めても遅くはありません。ガチガチに決められたルールやしきたりに従って働いている人たちは、本来持っているアイデアや閃きを十分に活かしきれていない可能性もありますよね。そうした人たちにとってTRUNK(KITCHEN)は、背中の羽を目一杯羽ばたかせて高く翔び立てる場所になるのではないでしょうか。
TRUNKには、他のホテルでは見られないような「挑戦の機会」が至る所に転がっています。もちろん、それをつかめる否かは自分次第です。常に目を凝らし、耳を澄ませ、そのきっかけを拾い上げていかなければなりません。手を挙げたプロジェクトすべてに携われるわけではありませんが、仮に参画できなかったとしても、積極的に関わりを持つことで多少なりとも新しいことが身に付きます。その積み重ねが、TRUNKに入社してからここまでの成長の糧になっていると感じます。あと一歩がどうしても踏み出せないという人は、本気で取り組みたい「WANT」を持つといいのではないでしょうか。本気で目指すものがあると物事との向き合い方も変わります。その過程で必然的に挑戦も必要になってくるでしょう。本気のWANT、それはもう「夢」と同じものだと思うのです。
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