「TRUNKらしさ」をかたちづくるのは、多彩な個性を持ったメンバーの存在です。TRUNKで自分らしく働くことができるのはなぜなのか。一人ひとりの「いま」にスポットを当て、その想いを掘り下げます。今回のTRUNKER’S TALKは、TRUNK(POOL CLUB)でバーサービスとマネジメントを担う石井翼にフォーカス。外資系ラグジュアリーホテルでの経験を活かしてTRUNKへと活躍の場を移した国際派は、「人の成長」に深い関心を寄せながら、「将来はGMに」という大きな夢に向かって一歩ずつ歩みを進めています。

多様性と社会貢献。
他にはない唯一無二のホテルへの憧れ。

私は生まれも育ちもニュージーランド。現地では15歳からレストランでアルバイトを始め、日本に拠点を移す19歳までの間、ずっと飲食業に携わっていました。帰国後は外資系ホテルで10年間勤務しました。そのホテルでは和食レストランでのサービス業務から始まり、ロビーラウンジ、バーなども経験し、最終的には50人のスタッフが働くオールデイダイニングでマネージャーを務めました。

TRUNKを知ったのは、TRUNK(HOTEL) CAT STREETが開業した時。友人の紹介で内覧させてもらったのがきっかけです。当時、最も刺激を受けたのは、「外見にとらわれることなく、その人の本質を見極めよう」とするTRUNKの考え方でした。これは他のホテルでは見られない特徴です。私自身、タトゥーや髪の色など自己表現へのこだわりが強いのですが、当時働いていたホテルも含めて、多くのホテルではスタッフがタトゥーを見せることを禁じていますし、髪型や髪色にも厳格なルールがあるのが一般的です。求められるのは「個性」より「規律」。ところが、TRUNK(HOTEL) CAT STREETのスタッフたちは自分好みに刻んだタトゥーを隠すこともなく、むしろパーソナリティを伝える重要なツールとして堂々と見せていて、当時の私には衝撃でした。TRUNKで働くスタッフとして、理念への共感や行動の源泉である価値観が備わっていれば、一人ひとりの個性も柔軟に認めてくれる。「ここは、ありのままの自分でいることが許されるホテルなのだ」と強く感じたことを覚えています。

加えて、TRUNKに魅力に感じたのは「働くことで社会貢献ができること」でした。会社の根底に根付いているソーシャライジングの考え方ですね。私が働くTRUNK(POOL CLUB)でも、シーフードバーで提供している牡蠣が売れるたびに、その一部を寄付する仕組みがあります。寄付先は海の環境保全活動を行なっているNPO法人です。「日々の業務を通じて、誰かの役に立てる。仕入れ先の選定一つひとつまで考え、選び抜かれているのか」と思わず唸るような取り組みがホテル運営の随所に散りばめられていて、いまだに感銘を受けることが少なくありません。 TRUNKを知った当時は、勤務していたホテルでのキャリアも浅かったので、まだその時機ではないと感じていましたが、「いつかは絶対にこのホテルで働きたい」と強く思ったことを今でも思い出します。

くつろぎと刺激が得られる、
東京でも特別な場所になりたい。

TRUNKに入社したのはコロナ禍がひとつのきっかけでした。海外への転職や事業立ち上げも考えたのですが、兄がTRUNKに入社したと聞き、TRUNKの存在を改めて意識するようになりました。その後、私もTRUNKに加わり、現在はTRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKの6階にあるTRUNK(POOL CLUB)で働いています。

TRUNK(POOL CLUB)はルーフトップインフィニティプールがある宿泊ゲスト限定のバーラウンジで、TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKのシグニチャープレイスです。私はここで、バーテンダーとしてカクテルメイキング、牡蠣やシーフードの仕込み業務に携わりながら、TRUNK(POOL CLUB)チームのマネジメントも担っています。目の前には代々木公園や明治神宮の豊かな緑が広がっていて、気持ちよく働くことができます。ただ、牡蠣を捌くのは大変ですね。1日に100個も捌いていると腕の筋肉がパンパンになります(笑)。

ホテルコンセプトである “Urban Recharge” には、「都会のくつろぎと刺激を同時に愉しみ、明日へのエネルギーへとつなぐ」という思いが込められています。毎日忙しく、クリエイティブに生きる人たちにとって、日常におけるエネルギーチャージは欠くことができませんよね。身体的にも、肉体的にも、創造的にも、世の中にはありとあらゆるリチャージの方法が溢れていますが、TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKでは「都会だからこそ叶えられるリチャージ」を提供することに注力しています。それが「くつろぎと刺激の両立」であり、リラックスした時間と空間を提供すると共に、今の日本、今の東京を代表するクリエイティブクラスとの思いがけない出会いをもたらす場となることを目指しています。オリジナルや定番のカクテルはもちろんのこと、ヘルスコンシャスなドリンク、ロー&ノンアルコールカクテルを数多く用意しているのも、あらゆる宿泊ゲストの要望に応えたいというTRUNK(POOL CLUB)の姿勢の表れです。

ここでは紋切り型のサービスにならないよう、できるだけマニュアルは作りません。マニュアルがない分は、メンバー間の連携を密にすることで質の高いサービスを実現することを心がけています。ゲストに関する情報を高い頻度で共有することはもちろん、個性豊かなメンバーとの交流を通じてゲストに刺激を提供するため、宿泊ゲストの状況に合わせてメンバーの配置を柔軟に変更するなど、さまざまな工夫を凝らしています。もちろん、それぞれの際立った個性を大切にするため、メンバー一人ひとりと向き合う時間を十分に確保することも意識していますよ。

TRUNK(POOL CLUB)のスタッフには外国人も多く、海外からの宿泊ゲストに対しても自然な流れでおもてなしできていると感じます。格式あるやりとりを望まれるゲストには相応の立ち居振る舞いを、肩肘張らない関係がお好みのゲストにはご要望に合わせた柔らかい対応をという形で、「くつろぎと刺激」が得られるよう、ゲストに合わせた柔軟な対応ができるのもTRUNK(POOL CLUB)の特徴だと思います。

TRUNKはこれまでに創業者や各チームが世界中の都市やホテルを巡り、インスピレーションを得てきました。「ルーフトッププール」はその一つ。TRUNK(POOL CLUB)が、これからの東京の新しいコミュニティのあり方の先駆けとなれたら嬉しいですね。

WANTが螺旋状につながっていく感覚。

TRUNKはマネジメントにも特徴があると感じます。多くのホテルでは指示や命令に従い遂行することが多いですよね。私自身、担当業務を朝昼晩と懸命にこなすだけといった形で、体力的にも精神的にも疲弊していたように当時を振り返ると感じます。そうした環境では、時間と共に成長欲求も薄れていきますよね。一方、TRUNKのマネジメントは他のホテルとは全く異なっています。「TRUNKのマネジメントはトップダウンではなくボトムアップ」と入社前から聞いていましたが、働き始めてその言葉の意味を改めて実感しています。

正直なところ、TRUNKのマネジメントに求められるレベルは高く、一筋縄ではいきません。業務自体には追われることはありませんが、主体性が尊重される環境があるので、「0 → 1」「1 → 100」のすべての作業を自ら進めることができます。未経験のことも多く、負担は増えるのですが、それによって自分自身の成長を実感できるんですよね。プロセスさえ理解してしまえば、「これをやってみよう」「あれもやってみよう」「あの取引先に相談しよう」と自分で考えることができます。たくさんの引き出しを持っていれば、多様なゲストの要望にも「唯一無二の体験価値」を提案できることにつながりますよね。独立しようと思ったらすぐにできてしまうくらいの、どこにいっても通用するスキルと知識と経験が手に入る。役職に関係なく社員全員が学べる環境はTRUNKの特徴のひとつだと思います。

このような経験があるからこそ、「自分にもできる」という自信にもつながっているし、「もっとこうしたい」という新しいWANTも見えてきます。そのWANTにしても、同じ場所をぐるぐると回っているように見えて、気がつくと一段高いところに到達している。言ってみれば螺旋状に成長していくような感覚があります。正直、大変に感じるチャレンジも多くありますが、それを乗り越えた先に自分自身の成長や新しいやりがいが見えてくる。それがTRUNKで仕事をする魅力ですね。

揺るぎない自信を身に付け、背中で語りたい。

私にとっての究極の目標は、ホテル事業のトップである「GM(ゼネラルマネジャー)」になることです。これからも段階を踏みながら着実に成長し、GMへの道を進んでいきたいと考えています。一方で、今はスタッフ一人ひとりが成長していく姿を見ているのが面白いんですよね。 TRUNKのスタッフはコンピテンシー(優れた成果を創出する人の、個人の能力および行動特性)に沿って「社会人としていかに成長できるか」という視点で、自ら実践と振り返りを繰り返しています。それを間近で見られることがとても楽しく、今はGMを目指すよりも、スタッフの成長や教育に自分の興味関心が向かっているんです。

スタッフ教育のなかでも大事にしているのが、私たちTRUNKのCREDOです。「HAVING A WANT = WANTを持つ。」「SCALING OUT = 振り切る。」「BEING ENTHUSIASTIC = 熱狂する。」「BEING A TEAM PLAYER = 仲間になる。」という4つの約束と、それに紐づく20の心得ですね。例えば、そのなかのひとつに「95%から勝負する」というものがあります。新商品を開発する際も、スタッフからの提案を受けて「いいね!」と一度は受け止めつつ、「で、本当にこれで終わりでいいの?」と問いかけます。この問いかけによって、「95%からの勝負」の「最後の5%」を引き出していく。限界まで突き詰め、「最後の5%」を考え抜けるように伴走していくことが、私には楽しくて仕方ないんですよね。CREDOの言葉、その一つひとつはこれ以上ないほどにシンプルですが、考えれば考えるほど、その奥深さに驚かされます。仕事の中で困難に直面した時も、CREDOに立ち返ることで、突破し、乗り越えてきました。私以上にCREDOの言葉を使っているスタッフはいないと思います(笑)。

自分自身のこれからの成長を考えると、学生時代のアルバイトから数えると15年以上、飲食一筋でキャリアを歩んできたので、他のジャンルでの経験もしっかりと積みたいですね。TRUNKのユニークな点は、「成長のために寄り道できる場所がたくさんあること」。飲食だけでもイタリアンや串焼き、ラウンジなど6種類のコンテンツがあります。本人に学ぶ気持ちがあれば、一ヶ月間、他部署で研修するということもできます。私も飲食だけでなく、宿泊、マーケティング、アトリエと、TRUNKにある全ての業務を学ぼうと思っています。このキャリアの先に描く目標としてGMを置くのであれば、現場の実情を知らない状態は好ましくないですから。年齢は関係ありません。今のうちに段階を踏みながらスキル、知識、経験を積み上げて、揺るぎない自信を持った上で、いつか「背中で語れるGM」になりたい。そう考えています。

GMのあり方も一つではないでしょう。ましてや、TRUNKはホテルごとのコンセプトも実に多様です。GMだって、画一的ではなく個性に溢れていてもいいのではないかと自分自身では考えています。教育に対して関心が向いている私のような者でも、その熱量やWANTを持ち続けたまま、自分らしい道を築き、その先に自分だけのGM像を創り上げられるのではないか。そんな思いで TRUNK(POOL CLUB)を最高の場所にしようと毎日仕事に邁進しています。マネージャーとしては、TRUNK(POOL CLUB)をTRUNKで最上級のサービスを提供する場所に育て上げ、TRUNKの社員たちから「一緒に働きたい」と思ってもらえるようになることが目標です。

SHARE THIS ARTICLE