TRUNKらしさをかたちづくるのは、多彩な個性を持つメンバーの存在。なぜ彼らはTRUNKで自分らしく働くことができるのか。一人ひとりの今にスポットを当て、掘り下げます。
今回は、TRUNKのクリエイティブを司る部署、TRUNKアトリエで空間ディレクターを務める工藤千青を紹介。彼女にTRUNKで働く魅力や今後の目標について語ってもらいました。

TRUNKの空間全体を扱う、空間ディレクターとして仕事をしています。家具、床、壁、天井などの内装、スタイリング、アートワークまでホテルの空間すべてを担当領域とし、あらゆる課題解決を空間づくりからアプローチしています。客室やレストラン、ストアなどそれぞれの空間のインテリアスタイリングが保たれているかのクオリティチェックや小規模改装に対してのデザイン提案をはじめ、TRUNKが主催するイベントやPOPUP企画などの空間デザインや装飾も担っています。

また、新店舗開発における業務もあり、TRUNKが新しく計画を検討する案件の企画提案や、TRUNKが目指すホテルをインテリアデザインとして表現するべく、インテリア・空間の専門知識を用いて社内検討を行ったり、外部デザインパートナーへの空間ディレクションを行ったりしています。TRUNKの中で空間デザインを担当しているのは私だけのため、プレッシャーと共にとてもやりがいを感じています。

デザインの力を大切にしているTRUNKに魅力を感じて

大学と大学院で建築デザインを勉強していましたが、日常的に触れられる、いわゆるヒューマンスケールなデザインを通じて、人々に感動を分かりやすく伝えていきたいという思いから、インテリア・内装業界に就職することを決めました。内装の設計・施工会社、インテリアデザイン事務所で約9年働き、そこで保育園、オフィス、物販・飲食店、住宅、ホテルなど幅広い分野の空間づくりに携わってきました。その後、これまでの経験を生かしたインテリアデザイナーの職種で転職活動を行っていたのですが、しっくりくる会社が中々ありませんでした。その中でたまたま紹介されたのがTRUNKでした。TRUNKのことはもちろん知っていたのですが、話を聞いていく中で既存に囚われない唯一無二なホテルづくりを行っていることを知り、美術大学出身でデザイナーの自分にとって、デザインの力を大切にしていることも魅力に感じ、TRUNKに入社することを決めました。

「プロ意識」を持って提案していきたい

TRUNKに入社前はB to Bのインテリアデザイナーとして、クライアント目線も大切にして取り組んでいましたが、TRUNKでは更に多様な視点で考えることが求められました。そのため、デザイナーとしての知識や経験を活かして、プロフェッショナルとして意見をきちんと伝えていくことを意識しています。例えば、「インテリアのイメージを変えたい」「扉に窓を設置したい」など、その要望をただ聞いて応えるというのではなく、「なぜそうしたいのか」「どうあれば機能性もデザイン性も上がるのか」「そもそもインテリアを変えるのではなく、オペレーションの変更で解決するのではないか」など、その背景や理由を深堀り、その上でベストな提案を行うように努めています。すべての部署から様々な視点で意見がでるため、デザイナー目線では少々無茶な難題があったとしてもはじめから否定するのではなく、まずは意見を受け入れ、検討をしてから、フィードバックすることを大切にしています。

どの部署の企画でも、館内のアイテム一つでも、サービスでもそうですが、遊び心やデザイン性を大切にしていることがTRUNKの魅力だと思います。その分、それを作り出すためのミーティングや議論には多くの時間を費やしています。そうすることで本当にこの企画で良いのか、このデザインで良いのか、TRUNKらしいのかといったことへの共通認識が生まれ、みんなが同じ方向に向かえているのだと思います。

TRUNKらしさを空間づくりとアートで表現する

最近では、空間ディレクション業務のひとつ、「ラウンジアート」に面白みを感じています。TRUNK では、季節ごとにラウンジにテーマを設けたアートワークを展開しています。ホテルという空間機能を担保しながら、どうしたら面白く見えるのか、訪れた方にアートを通してどんなメッセージを届けたいのか、などを考えて作り上げる今まで経験したことのない仕事のひとつです。2022年4月に施行した「Bug Hotel」はTRUNK(HOTEL)が掲げる「ソーシャライジング」の要素である「環境」をひとつのテーマにし、アートで表現しました。「Bug Hotel」とは、虫たちが冬を越すための枯葉や端木材で作ったホテルのことで、毎年虫たちが戻ってくる拠り所です。近代化された都市では昆虫の棲み処や数が減ってきていることから、本アートを通じて、環境について改めて考えるきっかけを届けられたらと企画を進めていきました。

(※TRUNK(HOTEL)は、「ENVIRONMENT(環境)」「LOCAL FIRST(ローカル優先主義)」「DIVERSITY(多様性)」「HEALTH(健康)」「CULTURE(文化)」という5つのカテゴリーに注力した「ソーシャライジング」をコンセプトとして掲げています。)

また、ホテルから出た廃材や外部パートナーから提供いただいた材料を使用しアートとしてアップサイクルしています。この材料集めも、私も含めスタッフがそれぞれ館内や外部に声をかけて行いました。この企画が決まった際には、こんなに材料が集まるのかとはじめは不安でしたが、なんとか無事に達成することができました。

さらに、TRUNK(HOTEL)が5周年を迎えるタイミングのラウンジアートということで、「一人ひとりがホテルを育て、お互いに助け合い、進化し続けるホテルでありたい」「TRUNK (HOTEL)もBug Hotel のように、お客さまに戻ってきたいと思える場所であり続けたい」という想いをより多くの方に届けたく、通常はアートのコンセプトはパネルでの説明のところ、初めてアーティストさんにイラストで表現していただくことを考えました。結果、線とドットの集積、文字で表現した、約高さ3.5m幅4.5mもの壁を埋め尽くす迫力のある巨大な蝶のアートに仕上がりました。

こちらのアートを実際にご覧になったお客さまから「感動した」「またアーティストとTRUNKがコラボレーションするのが見たい!」といったメールが届いた際には、とても嬉しかったです。このようなリアクションをお客さまから直接いただけるのも、TRUNKで働く面白みだと思います。

唯一無二の空間デザインを追求し続ける

インテリア、空間、建築という枠に囚われず、ランドスケープ、平面的なデザインアートなど自分の知見を増やして、TRUNKにしかできない空間デザインを追求していきたいです。現在は神宮前、神楽坂と東京での展開ですが、今後は日本全国、広くは海外にも展開していくことを夢見て、空間デザインを通していつも面白いホテルを運営している会社だとより多くの人に認識してもらいたいです。

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